ラオスへの移動に向けて、一緒のバスに乗ることになったイスラエルの女性がいた。 ものすごい荷物を抱えており、正真正銘のバックパッカーだ！ なぜかフラフープも持ち歩いており、ダイエットもしている不思議な女性だった。
いきなり隣に座ると、食べていたサツマイモチップスを僕に差し出してきたのだ！
「Thank you!!」と伝えると「My pleasure」と嬉しそうに話しながら、どこ出身？一緒のバス？と話しかけてきた。 僕が英語が得意では無いことを把握すると、笑顔でサツマイモチップスの袋を差し出し、笑顔で「Free」と話しかけてきた。 恐らく自由に食べて！ということなのだろう。
バスの移動中にはかなり助けてもらった。 一緒に乗り合わせた中国人男性（英語は僕よりもだめ）もいたのだが、バスを降りてセンター街までは8キロ程あり、27時間移動の後で歩けるような距離ではない。 僕は中国人男性に「タクシーで割り勘で行こう！」と話しかけ、何人かのドライバーと交渉をしていた。
ほとんどのドライバーが「200バーツ（約600円）」とか「50,000キープ（約700円）」の値段を提示し、交渉に苦戦をしている中イスラエル女性が現れ、私も一緒に行くと言い「15000キープオンリー」（約200円）これを受け付けないのであれば、他のタクシーに行くと一蹴！
当然タクシーのおっちゃん切れる「何を言ってるんだ！」
その瞬間「バスターミナルの中じゃ話にならない、外のタクシーを捕まえましょう」といい、タクシーのおっちゃんを無視してターミナルの外へ。
するとほどなくして、1台のタクシーが見つかり、交渉へ「15,000キープ（一人）only」と真剣なまなざしてタクシーのおっちゃんと交渉。 すぐにあきれた顔をしたが「OK」と返事が帰ってきた。
無事にタクシーに乗り中心街へと向かうがタクシーのおっちゃんは適当で200mぐらい離れた距離で降ろそうとする。
すると「not center!」と地図を見せて再度交渉を始める女性。タクシーの運転手も少し切れ気味の顔でこちらを見ている。
女性は関係なく、「Turn right！」とはっきりと伝え始めた。
おっちゃんも根気負けして、結局センター街まで連れて行ってもらった。
困っている人は助ける、自分が嫌な物ははっきりと嫌だという、今の僕には無い非常に刺激にあふれる人。「逃げる」という選択肢は無い人なのだろう。かつその場の出会いを大事にして、自分が楽しいことを本気でやる女性。
僕だったら、200m手前で降ろされても、そのままお金を渡して残りの距離は「歩く」選択肢を選ぶだろう。もちろん「連れて行ってよ」と心の中では思うが。
今まで旅をしている人と沢山出会ったが、この女性と会い、改めて言葉の問題ではなく、こちらが「本気か否か」が重要であることを改めて感じさせてもらった。 連絡先等は交換せず終わったがこういう出会いは本当に旅の醍醐味であり、刺激をもらえる。
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